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シュールなリアルとベタなアンリアルをノスタルジックに描く、「ピコピコ少年」と「ハイスコアガール」

「ピコピコ少年が実体験に基づく現実(陰)で、ハイスコアガールが読者の皆様に夢を与える妄想(陽)」
TV Bros.掲載の押切蓮介(作者)インタビューより。


表紙の絵を見て最初に思ったのが、

「ホ、ホラー漫画?」 でした。

「ハイスコア・ガール」は、1990年代初頭のゲーム少年の日常を描いたマンガ。
なので30代~40代前半の元ゲーマー(もちろん現ゲーマーも含む)にとっては、非常に楽しめる作品だと思います。
まさにノスタルジー。

1990年前後のゲーム事情を題材にしたマンガといえば「ゲームセンターあらし」がありますが、
ゲームセンターあらしはリアリティーに欠けていた為、
自分の心を虜にすることはできませんでした(炎のコマとかムーンサルトとか絶対無理だっつーの)。

そういえば、本棚にあった「あらし」のコミック本の背表紙を見た親が嘆いてました。
後から聞いた話ですが、「ゲームセンター"荒らし"」の意味と勘違いしたようで、
とんでもなく悪い子供に育ちつつあるのか、と心配になったそうです。
”あらし”の文字だけ妙にデカいんです。
(ゲームも好きだったけど、それ以上に真面目に勉強してたんですがね・・・)


最初に書いたように絵があまりにホラーチックなため、
自分の中で特別な存在になることは無く、どうしても一歩引いて見てしまい、
1巻を読んだ後は記憶から消え去るのを待つばかりの状態でした。

そんなある日、突如読み返す気になった二つの出来事。

一つは、偶然見つけた作者(押切蓮介)が書いた綾波レイのイラスト。

あれ?なんだか可愛い・・・。


もう一つが冒頭にある、TV Bros.に載っていた作者(押切蓮介)のインタビューの一文。

これを見て、「よし、ピコピコ少年を買って読んでみよう」と思い読んでみたところ、

こ、これは!?面白い
(最初の方、1話2話のあたりはちょっと引いたかも)

そこには90年頃のゲーム少年の<リアルな現実>が鏤(ちりば)められていて、
何とも言えない懐かしさと作者のユーモアが感じられました。


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例えば第6話[行列少年](基本的に一話完結)。
主人公はファイナルファンタジーVを購入するため、深夜0時からイトーヨーカドー(10時開店)に並ぶ。
同じ目的の見ず知らずの戦友(並ぶ人たち)との間に生まれる一体感や、その時に起こるエピソードを描いているのですが、
行列の前に突如現れる酔っぱらいが言い放った、痛恨の一言。

「何だこの野郎・・・ええ!?何の集まりだこんちくしょう~。バカにしくさってこの野郎~」
(ジョオオオ)←立小便の音

なんとも理不尽でリアルすぎる暴言です。


例えば第9話の[癇癪(かんしゃく)少年]。

ピコピコ少年の画像1

ゲームに負けた怒りを抑えられず、突如として暴れだす主人公の友人(癇癪持ち)。
なんとコントローラを頭に投げつけ、更に唾を吐くという暴挙に出ます。
これまたリアルすぎる・・・

自分の周りにはほとんどいなかったのですが、約1名、子供の頃に実在しました。
人のゲーム機なのに、物凄い力でリセットボタンのあたりを筐体ごとパンチしたり、
コントローラを床に叩きつけたり。
(それ・・俺のゲーム・・・)←心の叫び。

もちろん仕返しはあくまで冷静に、ゲームでとことん打ちのめすだけです。
フフッ・・・


最終話のラスト。
「ゲームがある限り、30になっても40になっても50になっても60になっても、ピコピコ少年(子供心)でいられる」

そう、まさにそうだと思います。
バランスを保って長く生きるには、子供心に戻るためのパーツを沢山持ってる方が良いに決まってます。

そして「ピコピコ少年」は「ピコピコ少年TURBO」へと続きます。

ハイスコアガールと違い、この2冊の内容は全て子供の頃の実話とのこと。
かなり過激な子供時代を過ごしたんですね・・・。
そのぶん内容がリアルすぎてちょっと引いてしまう部分もありますが、
自分も経験したようなあるある体験談も多く、思わず声を出して笑ってしまったり。

マンガを見て思わずリアクションをとってしまったのは、
夏目友人帳を読んで不覚にも流れてしまった涙を拭いて以来です(おっと、かなり最近だった)。
嫁さんに見られてなくてホッとしました。


・・・さて、それらを踏まえてハイスコアガールです。
と言ってもマンガ大賞2013で4位になるほど既に有名なので、軽く紹介しましょう。

時代背景:1990年代初頭。

20数年ぐらい前は最近、と思われる人もいるかもしれませんが、
当時は携帯電話も無いに等しく(存在はしていた)、
パソコン通信はあったもののインターネットができる家庭など存在してなかった頃です。

ちなみに自分の実家でインターネットができるようになったのが1995年頃で、
モデム経由で電話回線に接続する、いわゆるダイヤルアップ接続でした。
1995年頃でもインターネットができる家庭はかなり少なくて(←自慢気)、
ホームページを見たり自分で作ったり、という話をすると奇特な目で見る友人もたまにいました。

少し話が逸れましたが、こうして書くと1990年代初頭というのは情報技術的には大昔だという事がわかります。

あらすじを簡単に。
主人公はゲームが大好きな少年(小学6年)、矢口ハルオ。
当時ゲーセンで流行っていたストIIにのめりこみ、対戦には自信があったはずなのに、
ある日ゲーセンで偶然対戦した同じクラスの女の子、大野晶に7連敗を喫します。

そこからゲームを軸として、いつしかプラトニックな恋愛模様も繰り広げられ・・・、という内容。

恋愛というものを良くわかっていない頃の、恋愛に対する不器用さが良く出ています。
素直になれないとかではなく、どうすればいいのか、どうするのが最善なのかがよくわからない、
だから相手に対して気が利く事が中々できない、結果何もしない。
それでも不器用ながらも前に進んでいく様も描かれています。

ちなみにヒロインの大野晶がしゃべらないのは、最初から決まっていたわけではなく、
作者曰く偶然そういうキャラになっていったようです。

絵が個性的なため、かなり人を選ぶマンガではありますが、
正直ストIIが大嫌いだった自分(波動拳とか昇竜拳とか面倒だった)が楽しく読めたぐらいなので、
この時期ゲームにハマっていた人なら絵さえ許せれば間違いなく楽しめるかと。

ストIIに始まりストIIを中心として展開していきますが、それ以外にも沢山のゲームが登場します。
もちろんアーケードだけではなくコンシューマも。


3巻まで発売されていますが、4巻からはついに高校生編。

このマンガを読んだ後に注意すべきは、古いゲームを死ぬほどプレイしたくなることでしょうか。

<2016.06.15追記>
版権の問題により、長らく販売と連載が中止されていた「ハイスコアガール」ですが、和解の成立により連載が再開し、7月25日には最新刊となる第6巻が発売されるようです。

関連記事:ハイスコアガール6巻が遂に発売

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